9000マイルの約束

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AS FAR AS MY FEET WILL CARRY ME 01年ドイツ
【監  督】  ハーディ・マーティンス
【キャスト】  ベルンハルト・ベターマン/ミハエル・メンドル/アナトリー・コテニョフ

戦犯としてシベリアに抑留された後、3年の歳月をかけ9000マイル(約1万4千キロ)の
距離を歩きつづけ、祖国ドイツに帰艦した1人の兵士の命を賭けた悲愴な旅を壮大な
スケールで映画化した真実の物語。



ほんと久しぶりに映画を観て泣きそうになったね。(涙は出なかったけど・・・枯れたのかな。)

映画を観初めてまず思うのが、「厳寒」の恐ろしさと過酷さ。収容所までの汽車の中の風景が
全てを表していた。壁にもたれていたら、コートが凍り付いて動く時に

                       「ベリリッ」

っていう音が鳴るんですよ…ベリリィって…。そんな状況で支給される唯一の食料がカッチカチに凍った子魚。むしゃぶりつく兵士たち・・・。

こんな現実に直面したら自分は一体どうなってしまうんだろう?というシーンの連続だった。自分がもしあの汽車の中にいたら・・・と考えるだけで怖いです。   

そんな過酷な大自然の中を9000マイルも歩きつづける主人公は当然のことながら何度も生死をさまよい、たくさんの人間と出会います。

印象に残ったのが家族をナチスに殺されたポーランド系ユダヤ人がドイツ軍人である主人公を助ける場面。追っ手であるソ連将校に罪人を逃がしたとして糾弾された時に彼は言います。

  「私はユダヤ人だからドイツ人を助けるのだ!彼らがまた来たらまた助ける!」

自分の家族や友人を無差別に殺されて上でこの言葉を口にできるほど人間は(少なくとも自分は)寛大な生き物ではないし、その恨みは簡単に消えるものではないと思う。けれどこの
映画の中でのこの台詞はまっすぐ受け止める事が出来た。

これはドイツ映画である。ドイツ人が作った映画の中でユダヤ人の男にあの台詞を言わせる
ということにすごい意味があるのではないか。ドイツ人が勝手に自らの良心の呵責のためにつくった美談にすぎないと言えなくもないかもしれない。けれど少なくともドイツ人がユダヤ人のことを考えて作っている。そのことだけでもとても勇気の要ることだし意味があると思う。

一時、戦争を題材にした邦画が多く作られた。けど全部といっていいほど日本人が日本人のことを考えて作った映画。何もそれが悪い事だとは言わないが、日本人が中国人のことを考えて作った、韓国人のことを考えて作った戦争映画があってもいいんじゃないかな…。

逸れました。もどります。

何より感動のラスト。
好きなのはその静けさ。何の気なしに振り返ったときに一気に崩れていくあの娘と奥さんの表情・・・。余計な台詞も大げさな音楽もなく静かに約束を果たすあの演出・・・じわ~とこみあげてきます。3時間近い大作ですが入り込めるので長くは感じません。いい映画です。

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