中庭の出来事

恩田陸著「中庭の出来事」を読みました。


画像






















瀟洒なホテルの中庭。
こじんまりとしたパーティー
の席上で、気鋭の脚本家が
不可解な死を遂げた。
周りにいたのは、次の芝居
のヒロイン候補たち。

自殺?それとも他殺?
だとしたら犯人は誰?
それとも、これもお芝居?

互いに交錯し、
乱舞するシーン。




この恩田陸著「中庭の出来事」を読んだ私fireflyの感想。。。




わからないことを怖がってはいけない。




正直この本、


よくわかりません! 


帯にもあるとおり現実と芝居である虚構とが交錯して
読む者の意識感覚を狂わせるような構成なんですが、そ
の交錯の仕方が


半端ねぇ!!


序盤はまだそれなりについていくことが出来ます。『ああ…
そういう展開でくるのね。』なんてちょっと余裕かましながら
読んでいると、徐々に恩田トリックが増殖開始。。。まず
登場人物が次々と現われて、当り前のようにそれぞれで
それぞれの「出来事」を展開しはじめます。もちろん時
間軸もバラバラです。けどそれだけなら何のことはない
群集劇のような形。それほど混乱はしません。ただ!こ
の本に関しては決定的に違うのが



何か匂わせる。。。



みなまで言わない。けどこの会話、この出来事を額面どおりに
受け取っては困りますよ…。感じとってください。。。
と言われているような気がしてならない。

読者を誘惑します。この本。直接的に凄い仕掛けをしてくるの
ではなくあくまで霧のようにしっとり、匂わせる程度で。『これ
は何かとんでもない本を読んでしまっているのではないか??』
とページを進めるごとに不安になっていく気すらします。また
こういう本を読むのって凄くエネルギーが要る。


とくに終盤になっての現実・虚構の交錯乱舞はいよいよ加速度を
増し頭の中はプチ・パニックです。


「出来事」が解明されていくラストを読んでいても『なるほど…
そういうことですか。意外とあっさりしてるね。』と無理矢理にで
も理解・咀嚼しようとする自分がいる一方で『嘘付け!何もわかっ
てないくせに!』と責める自分もいる・・・。どっちが本当なのかは
正直よくわからない。


でも不思議とこの「わからない」は不愉快ではありません。一週間
という読書時間を費やし結構な重石になるハードカバーを毎日鞄に
落とし込む苦労をした結果が「よくわからない…」では怒りや情け
なさみたいなものが噴出しそうなもの(実際爆発する本もある…)
だけど、そういう感じではなかったですね、読了した瞬間は。


ある種安心感みたいなものもあったかも。『ああ…やっとこの中庭
から解放される。もうあの匂いを嗅ぎ取る努力はしなくていいや』
という。虚脱感にも似た安心感…。

このようにどちらかと言えばこの「中庭の出来事」の難解さ
に喜びを感じることになったのは自分が恩田陸のファンであ
るからか、自分の本に対する趣味嗜好の結果か?


それもまたわかりません。。。(しつけぇーー★)


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    Excerpt: すごく面白かった。 もうその一言しか書きたくない。というか書けない。ヘタに内容を書くとネタバレになってしまいそうだ。 ひとりの女が中庭で命を落とす。血のように赤い�... Weblog: ぱんどらの本箱 racked: 2007-09-12 13:43